災害時のトイレと衛生:携帯トイレの数と使い方、感染症を防ぐ消毒
トイレは発災直後から必要になる
長期の断水で最も早く深刻になる問題の一つがトイレです。衛生の悪化は感染症の流行につながります。携帯トイレの目安は、防災庁(旧 内閣府防災)の「災害用トイレの必要数算定シート」で1人1日5回。4人家族で1週間なら140回分です。
断水したら、まず「流さない」
排水管が壊れていないと確認できるまで、水洗トイレは流しません。逆流やあふれのおそれがあり、マンションでは上の階の排水が下の階であふれることがあります。マンションでは管理組合の指示に従いましょう。
携帯トイレの使い方
- 便器にポリ袋をかぶせ、その上に携帯トイレの袋をセットする。
- 使用後は凝固剤を入れ、空気を抜いて口をしっかり縛る。
- 縛った袋はふた付きの容器に入れ、直射日光を避けて保管する。
- 処分は自治体の指示に従う。
携帯トイレが足りないときは、バケツや段ボールにポリ袋を二重にかぶせ、細かくちぎった新聞紙やペットシーツなどを敷いて代用する方法もあります(東京都「もしもマニュアル」など)。
少ない水で清潔を保つ順番
水が限られるときは、病気の予防に効果が大きい順に使います。
- トイレのあとと食事・調理の前の手洗い(最優先。ここは削らない)
- 食器と調理器具(ラップやポリ袋をかぶせて使えば洗う水を節約できる)
- 口の清潔(少量の水で歯みがき・うがい。口の清潔は肺炎の予防にもなる)
- 体(お湯で絞った布で拭く)
- 衣類(下着と靴下を優先)
アルコール手指消毒剤は、目に見える汚れがある手や、ノロウイルスなどには効果が十分でないため、水が使えるようになったら手を洗いましょう。
嘔吐物・下痢便の処理と消毒
手袋とマスクをつけて処理し、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めた液で消毒します。
| 用途 | 濃度 | 5%の漂白剤の場合 |
|---|---|---|
| 嘔吐物・便が付いた床など | 0.1% | 水1リットルに20ミリリットル |
| ドアノブ・手すりなどの拭き取り | 0.02% | 水1リットルに4ミリリットル |
酸性の洗剤と混ぜると有毒なガスが出ます。手や皮膚には使わないでください(広島市「消毒液の作り方と使用上の注意」)。下痢や発熱が続く家族がいるときは、タオルや食器を分け、早めに受診しましょう。
ごみと害虫
- 生ごみは水気を切ってしっかり縛り、ふた付き容器へ。
- ごみや排せつ物は密閉し、たまり水を作らない(ハエ・蚊の対策)。
- 生理用品・紙おむつは代わりがききにくいので、普段の使用量をもとに多めに備えます。
必要な携帯トイレの数は備蓄量計算機で計算できます。
この記事の出典
- 防災庁(旧 内閣府防災) : 避難所の生活環境対策(「災害用トイレの必要数算定シート」掲載)
- 東京都 : もしもマニュアル 衛生/東京都保健医療局「簡易トイレの使い方」
- 川崎市上下水道局 : 備蓄しよう、携帯トイレ
- 広島市 : 消毒液の作り方と使用上の注意(次亜塩素酸ナトリウム)
よくある質問
- 断水中に水洗トイレを流してもいいですか?
- 排水管が壊れていないと確認できるまでは流さないでください。逆流やあふれのおそれがあります。携帯トイレを使いましょう。
- 嘔吐物の消毒にはどれくらいの濃さの漂白剤を使いますか?
- 次亜塩素酸ナトリウム0.1%の液を使います。濃度5%の家庭用漂白剤なら、水1リットルに20ミリリットルが目安です(広島市)。
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数値は目安です。公的機関の最新情報と指示を優先してください。